夜空の下で by 益田ミリ-私が仕事を辞める決意を固めた1冊

前職をやめる時に、背中を押してもらった本を紹介したいと思います。
この本は別に仕事論の話でも、人生論を声高に掲げた本でもありません。
短編が24個。
少しずつつながっている物語を読み進めているうちに、自分を大切にする勇気をもらったと思っています。

益田ミリさんの「夜空の下で」という本に、出会えたのは、人生の中で大きな幸運だったと思っています。

ミリさんの本の中にでてくる人物の言葉は、胸にすとーんと届きます。
人生のいろんな場面で助けてもらってきました。

その中でも特に私を助けてくれた「夜空の下で」という本を紹介したいと思います。




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24個の物語が少しずつ重なり合っている本

宇宙や星についての話が盛り込まれた短編。
その短編で取り上げた宇宙の話題について、薩摩川内市せんだい宇宙館で働いていらっしゃる安藤和真さんが解説を書く。
そんな形式でこの本は構成されています。

短編に特定の主人公はいません。

サービス残業の日々が続く会社員の女性、
子供が東京へ巣立っていくのを見送る、地方在住の母親
彼氏は地元の大学へ進学、自分は東京の大学へと進学する女の子

まだほかにもたくさんの登場人物がでてきます。

そんな彼らの日常や出来事が、24個の短編で描かれています。

読み進めていくと、24個の短編がほんの少しずつ重なり合っていることに気づきます。
例えば本の最初のほうで、飲み会で上司にセクハラ発言をうけてもやもやした思いを抱いていた女性。
実は東京の大学へ進学し彼氏と遠距離恋愛になってしまう女の子の母親であることに、読み進めていくと気づく。

あぁ、この人はちゃんと人生を歩んでいるんだ、という温かみを感じられる本だと思っています。

この本を買った時、病む一歩手前だった

この話を読んでいた時、私は前職で再び心身ともにボロボロになりつつありました。
6人いる社員の中も非常に悪く、お互いに手助けなどする雰囲気はみじんもありませんでした。
また、お局的な権力を握ったパートさんは、人の悪口をいっては「ね、蒼さんもそう思いませんか?」といってくる。

しかも私は会社の新規案件の部門を任されていたのですが、右も左もわからないのに丸投げ同然。
本部にも担当者ががいないような状態で、それでも日々対応しなくてはならず、精神的に参っていました。
このままでは、精神的に一番参っていたあの時に戻ってしまう。
でも今、やめたら・・このお店はどうなってしまうんだろう?
ただでさえ人が全然いなくて、つらいのに。
いつか内容が分かるようになって、仕事ができるようになるんじゃないか。
その日まで我慢すればいいんじゃないか。
重たい気持ちでいつも通勤していました。

親ともその頃には、疎遠になっていました。
でも、さすがにもう・・この会社ではやっていけない。
助けてもらいたいと思って、電話をかけたことがありました。
たぶん「大変だね・・・もうやめてもいいじゃない?蒼なら大丈夫だよ。」といってほしくて、かけたのだけれど、
親は「それは困ったね・・・どうしたらいいか、私にはわからない。」としかいってくれませんでした。
それはそれで・・・正直な答えだとは思うけれど、当時の私には何の救いにもなりませんでした。

あぁ、親は助けてくれないんだ。
小さいころ学校に行きたくないような出来事が続いても、1日たりとも休ませてくれなかったもんな。
私には誰も手を差し伸べてくれないんだな。

そういう思いに支配されていた時に、第13話「富裕惑星」にであいました。

第13話「浮遊惑星」に背中をおされた

この本の第13話「浮遊惑星」
1人の男性が・・・会社をやめよう考えているおはなしです。
自分がやめていいんだろうか・・・この程度のストレス誰にもであるんじゃないか?
俺が辞めたら、今でも苦しい職場はもっと苦しくなって、同僚には迷惑をかけるだろう。
もっとがんばれるんじゃないか?と悩んで、辞表を書く手が止まっています。

その時にふと、小さいころ母親から言われた言葉を思い出します。

「いつだって逃げる時は振り返らなくていいの」
「生きてることが大事」

 

この言葉に目が釘付けになりました。
何回も何回も読み返しました。
「生きてることが大事」
「生きてることが大事」
何回も何回も読んで、声にもだして読みました。

「生きてることが大事」
自分が生きていることが大事だと、その時まで思いつきもしませんでした。
自分がダメだからつらくて、自分が弱いからこんなことに悩んでいる。
ずっとずっとそう思ってきました。

でもそうか、「生きてることが大事」なんだ!
私が生きていることが大事なんだ!

生きるために逃げ出しても、それはちっとも悪いことじゃないんだ。

初めて気づかされました。

この本の発売が2012年12月。
私は2013年5月に前職を退職しました。

この本はこんな人におすすめしたいです

この本は

自分をどうやって大切にしたらいいか忘れてしまった

そんな人にぜひ読んでもらいたいです。
私は13話に励まされたけれど、他の話も大好きです。
18話は何回読んでもくすっと笑ってしまいます。

夜空の下でのチェックはこちら▼からどうぞ

私は文芸書サイズで買ったのですが、今は文庫版▼がでているようです。



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蒼(あおい)

蒼(あおい)

【真夜中のブロガー】 ●小さいころから自分が書いた文章で生きていきたいと思う会社員(接客業10年以上) ●実生活では本当の自分をだせず、ネット弁慶だったことから、大好きなblogで当時のファン友達を失うという大失敗を経て、それでもなお、文章で自分を表現すること、人に喜んでもらえるようなものを書きたいと挑戦中!! ●接客業を通しての仕事観、日々の雑感などを中心にほぼ毎日更新中。 ●夢は小さいころから変わらず本を出すこと!「何か語らないときっと後悔する」っていうサブタイトル通り、時代に爪痕を残せる人間になります!よろしくお願いします!! twitter:@yazumi_aoi