罵倒されて覚えた仕事は、根っこの部分で嫌いなままだ

飲食業なので、食器をふく作業がある。
目の前の食器の山があって、ふきつづけるとなくなる。
手っ取り早く仕事をした気になれる仕事なので、アルバイトには人気のポジションだ。

今日たまたま、その作業を私がやった。
たまっていたので、早く終わらせておきたかった。

やりながら、この作業全然好きじゃないんだよなぁ、と思った。
ふきんと、食器で黙々とふく作業だ。
手を動かせる仕事は嫌いじゃない。
淡々と野菜を切る作業や、皿を洗う作業も嫌いじゃない。
なのに、なぜこの食器をふく作業が嫌なのか。

原因を思い描いていた時、突然

「遅っ。」

と吐き捨てられた声が、脳内によみがえった。

あぁ、そうだ。
すごく嫌なことをいわれたことがあったんだった。
と思い出した。



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常に怒られ、嫌味を言われた入社1年目

それはこの会社に入社したとき。
飲食の経験もなく、接客という仕事をしてはきたものの、毛色が違い過ぎて何をしていいのかわからなかった。
何をやっても怒られたし、何をやっても嫌味をいわれた時期があった。

わからなくて、質問すれば
「言われる前に盗んでできるようになれ。」

何か失敗すると
「昔はそういうことしたら、もう仕事しなくていいからごみ箱に入ってろ、といわれたんだよ」

私が入社したときから公休が増えたことすら
「休みが増えたからって、休んでいるといつまでたってもつかいものにならない。」

むちゃくちゃ理不尽だ!と思っても何も言えずにうつむいていた。

スプーンをふくことにすら、嫌味をいわれた日

毎日いろいろ怒られていたある時、食器が山のように残っていたのでふきはじめた。
いつもこの作業を素早くやっているスタッフさんの動きを観察していたので、まねてやってみた。
黙々と作業してしまうと、お客様に気づけないので顔をあげて、フロアの動きを把握する。

手は素早く。
目はお客様を。

そんなことを意識しながら作業していたら、上司がふらりと通りかかった。
当時は何をやっても冷たく突き放されるか、嫌味をいわれるか、どっちかだったので、びくりとした。

「あぁ、食器ふいてるんだ。」
笑顔ではなしかけられたので、私はうれしかった。
よかった、今日はちゃんと仕事してると思ってもらえている。
「はい。」
次の瞬間その思いは打ち砕かれることになる。
「遅っ。」
吐き捨てて上司は去っていった。

スプーンをふくことすらできないといわれたようで、かなりの衝撃だった。
今思い返しても、当時の私がこの作業が遅かったとは思えない。
ただ、私を打ちのめしたかっただけの一言だったに違いない。

この仕事を覚える過程全てに、私への否定があった

飲食業をやっていてなんだが、私は料理が大嫌いだ。
包丁もこの仕事をするまでろくに扱えなかった。
不器用なのでソフトクリームも全然できなかった。
そういう技術的な面でできないことは、自分も承知していた。
毎日野菜を買って、家でも練習した。
お金を払って、自分で商品を店で何個も作ってみた。

どんなに努力しても、確かに下手くそだった。

「お前が切った野菜はごみくずみたいだ。」
「センスがない。」
「使えないばばあ。」
「ブサイク。」

のちのち、上司は「どんな上司に当たっていいように、きつくあたることでメンタルを鍛えた。」といっていた。
でも、別々の部署になって今、思うのはその人に対する苦手意識や、罵倒された記憶だ。
会議のような場で会うのも嫌だし、プライベートでは絶対に会いたくない。
(先日事務所に行く機会があり、ニアミスが二回あったが、全力で隠れた。)

ものすごく能力がある人だし、出世するにはあぁいう能力がいるのか、と近くでたくさん見てきた。
当時の同期と一緒に飲みにも連れて行ってもらって、おもしろい体験もした。

でも今でも会うと反射的に身構えるし、その上司に近い人には警戒レベルがぐんと跳ね上がる。

そしてこの仕事にまつわる作業や仕事を覚える時は、常に私は否定されてきた。
今でもどこかで自信がないし、何か身になじまない気がする。
そういう作業がいくつもある。

いいお客様に出会って、道であいさつできるぐらいに仲良くなったり、
必ず私がいるか目で探して笑顔で、会釈をしながら入ってきてくれるお客様もいる。

それでも何か根っこの部分で、この仕事嫌だなと思ってしまうのは・・そういう記憶が影響しているのかもしれない。



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蒼(あおい)

蒼(あおい)

【真夜中のブロガー】 ●小さいころから自分が書いた文章で生きていきたいと思う会社員(接客業10年以上) ●実生活では本当の自分をだせず、ネット弁慶だったことから、大好きなblogで当時のファン友達を失うという大失敗を経て、それでもなお、文章で自分を表現すること、人に喜んでもらえるようなものを書きたいと挑戦中!! ●接客業を通しての仕事観、日々の雑感などを中心にほぼ毎日更新中。 ●夢は小さいころから変わらず本を出すこと!「何か語らないときっと後悔する」っていうサブタイトル通り、時代に爪痕を残せる人間になります!よろしくお願いします!! twitter:@yazumi_aoi
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