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あの人の痕跡、あの日の私、全部閉じ込めてしまいたい

あんなにくっついているはずのビルを、一棟だけ壊すことができるんだな。
どうやったらそんなこと・・・できるんだろう。

もう跡形もなくなっているのに、隣のビルの壁にはしっかりと痕跡が刻まれている。
あったはずのビル、その元の姿は知らない。
でも、長く隣のビルと一緒に立っていたことはわかる。
あんなに後がつくぐらい近くに立っていた。
ずっと、ずっと。

私にもそういう風に、あの人の痕跡が残ってるかな。
残ってたらいいのに。
自分がいなくなる日まで、あの人を忘れないでいられたらいいのに。

あの頃の自分がいる部屋を壁で全部覆って、窓も扉もなくして、閉じ込めちゃうことができたら。
心に鍵をかけたって無駄。
鍵はいつかは開いてしまうから。
あの頃の私を、自由にしたらダメ。
扉を開けてでていったら、私はあの人を忘れてしまうから。

あの頃に比べたら、今ここにいる私は影みたい。
あなたを好きだったことが、私が私でいる証明。

大好きだった、ずっとずっと大好きだった。
本当に本当に大好きだった。

あの人の痕跡、あの日の私、全部閉じ込めてしまいたい。
私が私でなくならないために。

あとがき

昔NHKで「熱中時間 忙中趣味あり」という番組をやっていた。
それを見るのがすごく好きだった。
みんなよくわからない趣味を追いかけているんだけど、それに人生かけてる感があって、すばらしかった。
その時に「ビルの側面に残ったビルの後を探している熱中人」も出てきた気がする。

先日、浅草橋にいったときにこの風景を見た。
「あ、熱中人で取り上げられてたやつだ!」ってすぐに思い出した。
不思議だ。
もうずいぶん長い間忘れていたのに。

自分で撮った写真を使って書くのは初めてだ。
最初に書き出した言葉から、書いているうちにどんどん離れて行ってしまった。
平穏な書き出しだったのに。
なんでこんな風に転がってしまったのだろう。

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この記事を書いた人

蒼(あおい)

蒼(あおい)

【灯台ブロガー】
●接客業を11年半やって、2018年5月31日で会社員を卒業しました!
●かつての私のように人生って暗闇だよねって思っている人に、灯台のように、北極星のように、そっと道を照らしてあげられる文章を書いて生きていきたい。

twitter:@yazumi_aoi

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