「鉄道捜査官」は沢口靖子さん主演の2時間サスペンス。
前回ご紹介した「警視庁機動捜査隊216」が沢口靖子さんの”陰”の代表作だとしたら、この作品は明るい”陽”の作品だ。
どこかの部署とやりあうわけでもないし、部下もお調子者で美人に弱かったりする。
部署は架空の「警視庁鉄道捜査隊東京駅分駐所刑事課」というところだ。
1作目と3作目以外は「西村京太郎サスペンス」と銘打たれているが、実は西村先生が「鉄道捜査官」というシリーズを書いたわけではない。
原作は「十津川警部」シリーズで、主人公の捜査チームなど、起きる場所なども全部変えて作り替えられているのだ。
場所も違う。例えば河口湖が舞台のドラマの原作が、伊勢志摩だったり。
こうなると、全然別物ともいえるだろう。
西村京太郎サスペンスといえば、やはり鉄道トリック。
存分に楽しむことができます!
では、ご紹介します!
「鉄道捜査官」の面白さは、なんといっても鉄道トリックを暴くのが楽しい
鉄道といえば鉄道トリック。
鉄道が舞台のサスペンスも多いのですが、案外「鉄道の中で殺人が起きただけ」というものも多い。
でも、「鉄道捜査官」はがっつりトリックを暴く。
自分たちが現場に足を運んで、検証する。
電車に乗っていたアリバイを、いろんな交通網を駆使しして崩していく。
鉄道も使うけど、バイクも、モーターボートもなんでも使って崩していく。
捜査員同士が「一人は被害者の行動路線」「一人は犯人が使ったと思える路線」を使って検証する。
「なんで間に合ったんですか!!」
って一緒に、見ているこっちも驚く。
なるほどね、そういう感じでね!っておもうとおもしろい。
ちょっと不満があるとしたら、沢口さん演じる、主任の花村乃里子のひらめきがすごすぎることかな。
もっとダイヤを見比べたり、ネット検索を駆使したりして、必死に調べてほしいような気がする。
でも花村さんは「もしかしたら・・」とさらっとトリックを破ってしまう。
それほど「鉄子さん」でもないのに・・・。
でも、沢口靖子さんが解くと、なんかそれだけで説得力があるんだよな(笑)
鉄道詳しくないけど、ローカル線を車窓を見るのをが楽しい
私は鉄道詳しくないけれど、この舞台は地方の路線をたくさん走る。
日本の風景って、雄大だなぁ~と毎回思う。
渓谷とか、日本の川の流れとか。
私は旅行をしないから、そういう風景を見ることがほとんどない。
知らないで死ぬかもしれない。
でも、こうやって見ることができる。
2時間サスペンスは、全国各地で起きるから、旅行気分で味わうことができる!
沢口靖子さん演じる、花村乃里子派手な捕り物を見ることができる!
東京駅構内のパトロール中に、スリやひったくり、盗撮犯をとらえるのが冒頭に必ずある。
そこで、華麗な捕り物をみることができるのだ。
ちなみにクライマックスでも見ることができる。
沢口さんのイメージというと「科捜研の女」なので、体を使ったアクションがあるのは新鮮です。
(前回取り上げた「警視庁機動捜査隊216」もアクションがあるのですが、こちらは骨太です)
山村紅葉演じる、ママの神出鬼没すぎる
コメディー要素で欠かせないのが、山村紅葉さん演じる、小料理屋のママ。
8作目からでてくるのだが、インパクトがすごい。
もともとは売れっ子の新橋芸者だったらしくて、「あぁ、その人なら!」とかいって情報を教えてくれる・・ダメの役だった気がするのだが。
最近は捜査現場に堂々とやってきて、鉄道捜査隊が目を白黒させる、というのがお約束だ。
ママの何より不思議なことは、財力がすごいのだ。
ただ旅行に来ていたのよ~というだけならわかるが、着物や高そうな小物を爆買していたりする。
大物の方と知り合いだったりするので、捜査にさりげなく協力してくれる。
小料理屋のママと、山口竜央さん演じる大沢次郎さんが、小料理屋で「いい感じでネタを落としてくれる」。
お二人の魅力だろうが、押し付けがましく感じないところが、何よりステキ。
最新作が2018年5月放映、まだまだ続くといいな
「警視庁機動捜査隊216」と同じように最新作が2018年に放映されている。
2時間サスペンスがどんどん少なくなっている中、明るい話題だ。
メンバーの魅力も際立っているからかもしれない。
亡くなられた地井武男さんが初代の課長だったが、引き継いだ筧利夫さんの2代目の課長も風変わりで面白い。
元捜査一課の人間で、いろんなところに顔が利くとぼけているようで、最後の捕り物でも存分に実力を発揮する。
主任とよくコンビを組む、立花広太郎もお調子者で親しみがわく。
美人に弱く、「美人が相手だとフットワークが軽いなぁ」といわれるんだけど、いやらしい感じがない。
「いるよね、こういう後輩!」という感じだろうか。
演じる金子昇さんに、クリーンなイメージがあるからかもしれない。
他にも大塚千弘さんや、長谷川朝晴さんがいるが、それぞれ魅力的だ。
原作が限られているわけでもなく、これからもたくさん作られるといいなぁ~と思う。
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