箕輪さんが編集者だということは、なんとなく知っていた。
でも、特にフォローしていたわけではないので、はあちゅうさんや誰かのリツイートで知るぐらいだった。
後は、私がnoteを好きでフォローしている人の、タグに「箕輪編集室」と書いてあるぐらいだろうか。
とにかく全然接点がなかったので、今まで自分が読んでいる本に、箕輪さんが編集している本があることすら、知らなかった。
2冊も読んでいたのに。全然知らなった。
この本も出る直前、仕事の朝礼で紹介されて知ったのでした。
しかもその朝礼が「すごく話題になっている本なのに、事故って全然入荷がない!」という担当さんが怒り炸裂での紹介。
発売日前日の出来事で、とにかく人文担当さんの怒りが炸裂していたのだけが、印象深かった。
もう増刷されてからの入荷になるから、1週間後じゃないの!みたいな感じで。
「あ、私、箕輪さん気になってて、本読んでみたいって思ってたんですよ」
なんて、とてもいえそうにない雰囲気で出会った本だった。
その本が入荷されていたので、こっそりと買った。
とにかく熱い、熱すぎる文体だから、横書きで読みたい
読んでみて思ったのが、とにかく熱い。
文章のすべてがいい切りで書かれていて、命令形も多い。
伝えたいことをこの1冊に詰めこみたかったからかもしれない。
刺激的な章タイトルが並んでいるし、文章も攻撃的だ。
だからだろうか、本で縦書きで読むと、なんとなく読みづらいのだ。
感情的に突っ走れないというか・・。
縦書きだと、私には熱さをダイレクトに脳とか、心に響かないらしい。
なんだか、エラーがおきてしまっている感じで、脳みそがスパーク思想だった。
なんだっけ、同じような本を読んだことがある・・・。
と思って、記憶をたどってみたらわかった。
田端信太郎さんの本だ。
箕輪さんが編集している本だ、なるほど。
もしかして、脳をスパークさせたい本なんだろうか。
熱意を縦書きで本にする、これもわざとなんだろうか。
熱狂に出会うための自然消滅のススメ
この本で一番ハッとさせられたのが、この章タイトルだった。
興味を感じたものには、何にでも「やります!」といって仕事を受けまくると6割ぐらいは自然消滅するそうだ。
物理的に無理になったり、熱量が続かなかったり、すると。
でも、それでいいと箕輪さんが書いている。
「一度やるといってしまったからやらなければいけない、というのはサラリーマンの発想」と一刀両断された。
えぇ、私は「一度やるといったのに」と思って自分を責める。
箕輪さんはこうも書いている。
「知り合いや部下にお願いした企画が動いてなかったら、その程度だったと見切りを付けることにしている」と。
そうかぁ・・・そういうものかぁ・・・。
人と何か取り組むときに「この程度の熱量だったのか・・」っていちいちがっかりしていたけれど、がっかりする必要はなかった。
自分は次に進んでいけばいいってことなのだ。
スピードに、量に、自分を全力でフル稼働させていけ!と箕輪さんが常にいう。
「そこまでしないとダメですか?」と思いながらも引き寄せられる本
自分の中に腹落ちしていないのか、熱さに反射的に防御態勢に入っているのか。
箕輪さんの熱い言葉に、ちょっとひいてしまった。
「そこまでしないとダメですか?」という言葉が口に出かかり、文字にすることもちょっとためらわれた。
お前に覚悟がないのだ、とバッサリ切られてしまいそうだ。
視点が全然違う、思考も全然違う。
箕輪さんはそういう人なんだ、とも思えた。
でも、何かが決定的に自分と違うなぁ~と思いながら読んだ。
違うからといって、「そこまでしないとダメですか?」と思ったとしたって、この本は面白い。
人はわからなくたって、熱いものに心惹かれる。
やりすぎてるんじゃないかという、心の不安は書きたてられるけれど、熱いものに近寄りたくなる。
「飛んで火にいる夏の虫」っていうんだろうか。
まさに、この本を読んでいる私はそんな気分だ。
この本は「いいから火に飛び込んでこい!」っていう箕輪さんの引力と、「いやいや、そこまでしないとダメですか?」って抗う読者の戦いの本なのかもしれない。